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看取り介護のサービス

特別養護老人ホーム(特養)といった介護施設では、看取り介護のサービスを実施しています。
看取り介護とは近い将来、天寿を全うされるであろう人に対して、身体的・精神的負担を緩和し、本人が緩やかな終焉を迎えられるよう援助を行うのが看取り介護です。
看取り介護は全体の7割の特養で実施されており、入居者全員に看取り介護の計画をたてている特養は全体の5割にもなります。
慣れ親しんだ場所で最期を迎えたいという利用者の需要も増えているため、今後も増加すると考えられるでしょう。
特養以外にも介護付き有料老人ホームや住宅型有料老人ホームなども看取り介護を行っています。

看取り介護のサービス内容

身体的ストレスの緩和

体調を把握するため、血圧や脈拍、呼吸などのバイタルサインと呼ばれる情報を管理。
食事は今まで食べていたものが食べられなくなったり、好みが変わったりするため、量や味付けを変化させ、負担軽減に努めます。
衛生面でも、負担のかからない範囲で入浴を行い、感染症の予防も行います。

精神的ストレスの緩和

看取り期は身体機能の低下により、今までできていたことができなくなりストレスに感じるようになります。そのような場合、適切にコミュニケーションをとり、サポートすることでストレスが軽減されるでしょう。
入居者がやりたいこと、介護者にやってほしいことを聞き出し、なるべく希望に沿った介護をします。

家族へのケア

入居者の体調や精神面について情報を共有し、こまめにコミュニケーションをとります。家族の意向も尊重し介護することで、家族の精神面のケアにもつながるためです。

看取り介護において職員間で共有すること

看取り介護の方針の理解

看取り介護を実施するに当たり、職員が施設の方針について理解する必要があります。理解したうえで、看取り期に起こりうる変化への対応、入居者や家族への精神的な援助、家族との連携など職員全員が共通した理解を持たなければいけません。
そのうえで職員も経験を積み、理解を深めていくことが大切で、看取り介護の経験が浅い職員だと、看取り介護=死とイメージしてしまいがちです。
経験を積んでいくと「入居者が人生の最期をまっとうすることに関われること」に意味を持ち、対応できるようになります。
看取り介護に対しての捉え方を変えていくためにも、経験を積み、実践していくことで基本方針について本当に理解できるようになっていくでしょう。
家族は看取りを迎えることに不安を抱え、職員に相談する機会が増えます。
相談を受けた際、方針を理解していないと、不安につながりかねません。そのため、方針を理解し自分の言葉で伝えられることが重要です。

多職種との連携

看取り介護においては多職種との連携が重要になってきます。入居者と一緒に過ごす時間が多いのは介護職員で、身体状態への変化を敏感に察知できるでしょう。
これらの変化を感じ取れたら、多職種によるケアカンファレンスを開催し、各々が感じ取った変化を共有する施設もあります。
各職種からの情報は、医師が看取り期と判断する参考になる重要なものです。
職種によって捉え方が違うと家族との会話で、職種により差が生じるため、家族が混乱してしまいます。共有を行っておくことは大切です。

入居者や家族への対応

入居者への対応で重要なことは、職員が入居者の最期の迎え方について受け止めておくことです。
日常の会話で「最期はここ(施設)で」といった言葉が出てきた場合、きちんと受け止めておきます。
このような言葉が出ると「まだまだ先のこと」とはぐらかしてしまいがちです。
しかし、このような言葉が出てきたら記録しておき、入居者がどのような最期を望んでいるのか、施設としてできることはないか話しておくことで、入居者が最期を迎えるうえでの支援ができるようになります。

家族に対しても同様で、家族が納得して最期の場所を選択できるように、施設でできること・できないことを理解してもらうことが重要です。
病院と施設の違いや医師が施設内で処置可能な範囲など伝えます。説明を十分に行ったうえで、入居者と家族の意思を確認していきます。
説明や情報が不十分で後々、家族が後悔することがないように、日頃からコミュニケーションをとっておきましょう。

看取り介護では日頃からの信頼関係が重要です。信頼関係を構築できていれば、看取り期になっても家族は職員に思いを伝えやすく、職員も思いに応えやすくなります。
看取り期は身体機能が低下していくため、信頼関係がないと施設への不信感につながりかねません。
日頃から家族とコミュニケーションをとり、看取りについても話をする機会持ち、最期の迎え方についてイメージを共有できれば、気持ちに寄り添った対応がとりやすくなります。

看取り介護の実際

入居から看取り期まで

施設で定めた看取り介護の方針を、入居時に入居者と家族に説明しておくことが重要です。入居の際、看取りについて理解している入居者、家族は多くありません。
看取りの考え方や施設で可能な医療行為、医師との連携などについて説明し、入居者及び家族に理解してもらいます。
意向についてはその場で回答してもらうのではなく、看取りについて考えるきっかけをつくることが重要です。
後日、入居者・家族から意向について回答があった場合、受け取るだけではなく後日、家族が確認できるよう、コピーして共有しておきます。

看取り期

医師が看取り期と判断した場合、職員は再び施設では何ができて、何ができないのかについて入居者及び家族に説明し意思を確認する必要があります。
入居者・家族に判断させるため、そのまま施設で過ごすのか、病院に入院するのか、入院した場合の処置などよく話あうことが重要です。
ただ同意書を取れればいいのではなく、入居者と家族の心情に配慮した説明や同意を取れるようにしましょう。
特に死についての直接的な表現は避けたいところです。

死亡後

施設によっては、生前の居室に祭壇をたてたり、静養室や霊安室でお香をたくなどの対応があるでしょう。
どちらの場合でも、家族や親せきがお別れできるように努めます。
通夜や葬儀については家族の意向を確認したうえで、職員が参列するもいいでしょう。
葬儀会社と連携が必要になる場合もありますので、こちらについても事前に確認しておきます。
また、施設内で葬儀を行う場合もあり、家族や親族、施設内の友人、職員が参列する家族葬という形となります。
施設にそのまま遺体を安置し、僧侶を呼び通夜、告別式、出棺、火葬場での火葬まで行われる流れです。
施設内の家族葬だと職員も参列できるため、入居者に最期のお別れができます。
別れる寂しさから涙する職員もいますが、泣くのは隠すことではありません。家族がそれを見て親密であったのかを感じられ、グリーフケアにもなります。
(参考)葬儀・お葬式は信頼の葬儀社【公益社】

この記事のまとめ

看取り介護は特別なものではなく、日常のケアの延長上にあります。
看取り介護を実施するに当たり家族との信頼関係が非常に重要ではありますが、一方、家族との関係が難しいと考えられます。
信頼関係を築くためには、日頃からのコミュニケーションが大切であり、一緒に話し合い、考えられる関係を構築しなければなりません。
信頼関係を築くことで、入居者が安らかな最期を迎えられるための対応ができると考えられます。家族の気持ちは揺れるものです。職員も一緒になって考え、話し合い、また考えることが重要だといえます。
看取り介護においては家族の欲しい情報や、入居者の希望など適切な対応ができるようにしていきたいものです。

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